Psychology of Baseball
野球の心理学

野球の醍醐味は、観戦している者が選手や監督と一体化できるところにある。
次のプレーはどんな作戦で攻めるのか、守るのかを予想して楽しく観戦できる。
思ったとおりの作戦が成功すると「ヨッシャー」となり、失敗すると「ブーイング」となる。
作戦といってもルールに従って行われるボールゲームだから、何でもできるわけではない。
野球をもっと楽しくやるために、もっと楽しく観るために野球を心理学的に解剖してみよう。

サイン編 
 サインの種類
  一般的にサインの種類は、ブロックサインとフラッシュサインがある。
  ブロックサインは、身体などのいろんな部分を次から次に触っていくもので、キーポイントになる部分を決めてその次に触った部分が実行というパターンが多い。例えば、頭を盗塁と決めておいて、キーを胸とするならば、いろんな部分を触りながら、「胸」→「頭」と続いたら盗塁のサインということになる。
  フラッシュサインは、カメラのフラッシュのようにある部分だけを触った時や帽子をとるなどのひとつの動作で実行するパターンである。

 ブロックサインとフラッシュサインの長所と短所

ブロックサイン フラッシュサイン
長所 ・複雑な動きで見破られにくい ・単純で見逃しが少ない
短所 ・複雑になると見逃しが起こる ・見破られやすい

 サインの出し方
  サインを出して作戦が成功するかは、サインを出すタイミングに大きく左右される。
  キャッチャーがボールをピッチャーに返球する時が、ベストである。ベンチを見ながら返球できるキャッチャーはいない。ベンチを見ながらボールをとれるピッチャーもいない。そのわずかな間に、すばやくサインを出すことと、確実にランナーとバッターがサインを見る訓練が必要となる。

 MOTOYAN流サインの盗み方(見破り方)
  30年余りにわたって、選手(捕手)、監督をやっていると中高校生の野球なら90%以上の確率で相手チームのサインは見破ることができるようになった。ただ、問題はベンチで相手のサインがわかってもプレーヤーに伝える手段と時間がないことである。プレーは進行しているのでどうしようもない場合が多い。自分がプレーヤー(特に投手か捕手)ならば、簡単に対処できるので是非参考にしてほしい。

  基本:そのケースで考えられる作戦を予測する。スクイズ・盗塁・ヒットエンドランなど

ポイント1 ランナーとバッターを観察する
 サインが出されると無意識のうちに必ずいつもと違った行動をとる。
 盗塁の場合
 盗もうとするベースがあるか(存在するか)を確認する。走ろうとする先に目を向ける。
 ランナーのレベルが上がると、第1リードが小さくなる。(けん制をさせないために)
 サインが出た瞬間に帽子のつばをさわる。自分でサインを確認している無意識な行動である。
 スクイズの場合
 バッターとランナーが顔を見合わせてお互いに確認をとる動作をする。

ポイント2 けん制球を使ってみる
 スクイズの場合
 ピッチャーが3塁ランナーにけん制球を投げる動作をした時に、バッターのグリップに注目するとグリップの2本の手が、バントに備えるために離れる。(バッターの手元に注目)
 2・3塁の場合は、2ランスクイズを狙っているため2塁ランナーがけん制につられてスタートを切って、あわてて戻る。(2塁ランナーに注目)

ポイント3 究極のサイン破り(MOTOYANオリジナルか?)
 ここは現役を退いたときに公開します。ブロックサインならスクイズ95%以上の確率で見破れます。プロ野球でも大丈夫です。残りの5%は、ネクストボールスクイズの時です。
 どうしてもお知りになりたい方は、メールをください。
 
ブロックサインは、キーポイントの後に実行部分を触ります。その瞬間のランナーとバッターの顔の動きに注目します。「サインが出た」瞬間に同時に監督から目を離します。サインが出ないときは、目の離れに時間差があります。同時にランナーとバッターの目を見ることができれば、よくわかります。キャッチャーなら相手ベンチのサインを追いかけるよりバッターと3塁ランナーを同時に見つめましょう。
  

  まだまだ、あるあるサイン見破りの術

壱の術 ピッチャーがキャッチャーのサインに首を振ったら、前の球と同じ球種
弐の術 ピッチャーがランナーを1回も見なければけん制あり
参の術 無死1塁で一塁手が異常に早く前へダッシュしたら、ピックオフプレーに注意
四の術 打者が3塁手をチラッと見て打席に入ったら、ドラックバントに注意
五の術 監督の手からメガホンが離れたら、スクイズに注意
六の術 監督の「打て、打て、いけ、いけ」の大声は、まともにとるな!
七の術 座っていた監督が、立ち上がったら要注意